越谷市6/18(木)29℃/19℃☔40%🎪 2026/5/29(金) イオンモールの環境月間「えらぼう。未来に…詳しく見る ▶
ニュース

自治体DX人材育成プロポーザルはなぜ急増しているのか?民間事業者の参入条件と成功のポイントを整理

XLINEB!はてB

自治体DX人材育成プロポーザルはなぜ急増しているのか?民間事業者の参入条件と成功のポイントを整理

自治体のDX人材育成プロポーザルが、2026年に入ってから全国各地で相次いで公募されています。

越谷市が実施している「実践・伴奏型DX人材育成業務委託」もその一つですが、なぜ今、これほど多くの自治体が同じような公募を行っているのでしょうか。

実は、この背景には「座学研修だけではDXが進まなかった」という全国共通の課題があります。

この記事では、報道では触れられていない自治体側の本当の狙いと、民間事業者が参入する際に押さえておくべきポイントを整理します。

越谷市が実施している公募の基本情報

越谷市が実施している公募の基本情報

越谷市は「越谷市実践・伴奏型DX人材育成業務委託」という名称で、公募型プロポーザル方式により民間事業者を募集しています。

この事業は、越谷市の「情報化推進計画」に基づいており、市民向けのデジタル化を進めるだけでなく、市役所内部でDXを牽引できる職員を育成することが主な目的です。

特徴的なのは、単なる研修ではなく「実践型」と「伴走型」を組み合わせた支援を求めている点です。

  • 実践型:実際の行政業務を題材にしたプロジェクト型学習
  • 伴走型:研修事業者が一定期間、市職員のプロジェクトに寄り添って支援

公募型プロポーザル方式とは、価格だけでなく企画内容・実績・体制などを総合的に評価して委託先を決める方式です。

参加事業者は、参加表明書と企画提案書を提出し、書類審査とプレゼンテーション審査を経て選定される流れになります。

なぜ今、全国の自治体でDX人材育成プロポーザルが急増しているのか

越谷市だけでなく、2026年に入ってから富山県、奈良県、栃木県、西宮市など、全国各地の自治体がDX人材育成をテーマにしたプロポーザルを相次いで公募しています。

この急増の背景には、「研修を受けただけでは現場が変わらない」という全国共通の反省があると考えられます。

座学研修だけでは成果が出なかった過去

多くの自治体では、これまでもDXに関する研修を実施してきました。

しかし、外部講師を招いた座学形式の研修では、受講した職員が「理解はしたけれど、自分の業務にどう活かせばいいか分からない」という状態に陥るケースが多かったとされています。

研修後に現場に戻っても、日常業務に追われて学んだ内容を実践する時間が取れず、結局何も変わらないまま終わってしまうという課題がありました。

国のDX推進計画との関係

政府は「自治体DX推進計画」において、2026年3月までに各自治体が一定のデジタル化を達成することを求めています。

しかし、システムを導入するだけでは不十分で、それを使いこなし、業務改善を進められる人材が庁内にいなければ、真のDXは実現できません。

そのため、2025年度から2026年度にかけて、各自治体が「人材育成」に本腰を入れ始めたと見られます。

なぜ「伴走型」が求められるのか

伴走型支援とは、研修事業者が職員のプロジェクトに一定期間寄り添い、企画・設計・実装・検証までを継続的にサポートする形式です。

埼玉県でも「ノーコードツール活用を促進するための伴走支援運営」が公募されるなど、「教えて終わり」ではなく「一緒にやる」スタイルが全国的なトレンドになっています。

これは、職員が実際に手を動かしながら学ぶことで、研修後も自立して業務改善を進められる力が身につくと期待されているためです。

公募型プロポーザル方式を採用する理由

なぜ入札ではなく、公募型プロポーザル方式が選ばれるのでしょうか。

DX人材育成は、単に「研修を実施する」だけでなく、その中身の質が成果を大きく左右する業務です。

安い価格で受注した事業者が、形だけの研修を行って終わりでは、自治体側の目的は達成できません。

公募型プロポーザル方式では、次のような項目が評価されます。

  • 過去のDX人材育成・研修実績
  • 提案内容の具体性と実現可能性
  • 伴走支援の体制と担当者のスキル
  • 自治体の現場に即したカスタマイズ力
  • 成果の測定方法

価格は評価項目の一部ではありますが、最安値が自動的に選ばれるわけではなく、総合的な評価で最優秀提案を選ぶ仕組みです。

どんな民間事業者が参入しているのか

越谷市の公募ページには詳細な参加条件は明示されていませんが、他自治体の類似案件から、次のような事業者が有力候補と考えられます。

DX研修・コンサルティング会社

DX人材育成やデジタル研修の実績を持つ研修会社、コンサルティング会社が中心になると見られます。

特に、行政向けの研修実績があることが重要視される傾向があります。

ノーコード・RPA導入支援企業

ノーコードツールやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入支援と現場伴走の経験があるIT企業も、有力な候補です。

埼玉県の「ノーコードツール活用を促進するための伴走支援運営」のように、ツール導入と人材育成をセットで行う案件が増えているためです。

シンクタンク・教育系法人

行政向け研修を多く手掛けるシンクタンクや教育系法人も、参入が想定されます。

自治体の業務や組織文化に精通していることが、提案の説得力につながると考えられます。

参加に必要な条件

公募参加には通常、次のような条件が課されます。

  • 地方自治法施行令に基づく資格要件を満たしていること
  • 反社会的勢力との関係がないこと
  • 破産手続き中でないこと
  • 過去に行政との契約で重大な違反がないこと

これらの条件は、自治体が公的資金で業務委託を行う以上、必須の要件となっています。

自治体側の本当の狙いとは

公募要領を読むだけでは見えてこない、自治体側の本音の部分を整理します。

「DX推進リーダー」を各部署に配置したい

越谷市をはじめ多くの自治体が求めているのは、各部署でDXを牽引できる職員です。

情報システム部門だけがDXを進めるのではなく、福祉部門、税務部門、教育部門など、各現場にデジタル技術を活用して業務改善を提案できる人材を育てたいという狙いがあります。

外部ベンダー依存からの脱却

これまで自治体のシステム導入や運用は、外部ベンダーに丸投げするケースが多く、職員側にノウハウが蓄積されないという課題がありました。

職員自身がデジタルツールを使いこなせるようになれば、外部委託費の削減にもつながると期待されています。

「市民のためのDX」を実現する土台づくり

越谷市の公募要領にも「市民のためのデジタル化」という文言があります。

住民向けのオンライン申請やデジタル窓口を整備するには、まず庁内の職員がデジタル化の意義を理解し、自ら推進できる力を持つことが不可欠です。

つまり、この人材育成事業は、住民サービス向上のための基盤整備という位置づけでもあります。

民間事業者が提案で押さえるべきポイント

民間事業者が越谷市のような自治体DX人材育成プロポーザルに参加する場合、どのような点を押さえるべきでしょうか。

「研修後の変化」を具体的に示す

自治体が最も知りたいのは、「この研修を受けた職員が、その後どう変わるのか」です。

研修のカリキュラムを並べるだけでなく、過去の実績で「受講後、どのような業務改善が実現したか」を具体的に示すことが重要です。

伴走支援の体制を明確にする

伴走型支援では、担当者が誰なのか、どれくらいの頻度で関わるのか、どのようなサポートを行うのかを具体的に示す必要があります。

「伴走します」という言葉だけでは評価されず、体制図や担当者のスキル、支援スケジュールまで明示することが求められます。

自治体特有の事情を理解している姿勢

民間企業と自治体では、組織文化や意思決定のプロセスが大きく異なります。

「自治体の現場をよく理解している」ことを示すために、過去の行政向け実績や、自治体職員の働き方に配慮した研修設計を提案することが有効です。

成果の測定方法を提示する

研修の効果をどう測るのか、明確な指標を提案することも重要です。

例えば、受講前後でのアンケート評価、業務工数の削減率、ツール活用率の向上など、定量的に測れる指標を示すことで、提案の説得力が増します。

ネットでの反応

自治体DX人材育成プロポーザルに関して、SNSやビジネス系掲示板では次のような声が見られます。

自治体のDX人材育成案件、うちの会社も提案したけど、実績がないと厳しいって言われた。どこも実績重視だから新規参入は難しい。
ビジネス系掲示板の投稿

新規参入を狙う事業者にとっては、実績の壁が大きな課題になっているようです。

伴走型って言うけど、結局どこまで関わるかが曖昧で、提案しづらい。自治体側も具体的なイメージを持ててない気がする。
IT系フリーランスのSNS投稿

「伴走型」の定義が自治体によって異なるため、提案側が戸惑うケースもあるようです。

一方で、前向きな声もあります。

自治体のDX人材育成、ようやく本気度が上がってきた感じ。座学だけじゃダメだって気づいてくれたのは良いこと。
元自治体職員のSNS投稿

現場を知る人からは、実践型・伴走型への転換を評価する声も上がっています。

今後の展開と注目ポイント

越谷市の公募は、特定年度に限った単発の事業である可能性が高いですが、他自治体の事例を見ると、継続的に同様の公募が行われる傾向があります。

DX人材育成は一度の研修で完結するものではなく、継続的な取り組みが必要とされているためです。

成果が出た自治体の事例が横展開される可能性

ある自治体で成果を上げた事業者やプログラムは、他の自治体にも採用される可能性があります。

自治体同士は情報交換を行っており、成功事例は共有される傾向があるためです。

ノーコードツール活用がさらに広がる見込み

埼玉県の事例にもあるように、ノーコードツールを活用した業務改善は、プログラミング知識がない職員でも取り組みやすいため、今後さらに広がると見られます。

越谷市でも、実践型の研修テーマとしてノーコードツールが選ばれる可能性があります。

民間事業者の参入競争が激化する可能性

全国的にDX人材育成プロポーザルが増加していることから、民間事業者の間で受注競争が激しくなる可能性があります。

実績のある事業者が有利になる一方で、新規参入を狙う事業者は、独自の強みや専門性を明確にする必要があるでしょう。

まとめ

越谷市を含む全国の自治体でDX人材育成プロポーザルが急増している背景には、座学研修だけでは成果が出なかったという共通の課題があります。

実践型・伴走型への転換は、職員が自立してDXを推進できる力を育てるための重要な一歩です。

現時点では、どの事業者が選ばれるのか、具体的にどのような研修が行われるのかは明らかになっていません。

民間事業者にとっては、実績と具体的な提案力が問われる案件であり、自治体側にとっては、真のDX推進人材を育てられるかどうかが試される取り組みと言えます。

今後も新しい情報が入り次第、追記します。

※新情報が入り次第、こちらに追記します

XLINEB!はてB
XLINEB!はてB